千本松の観象台

更新日:2021年11月30日

碑と看板があり、土が盛り上がっている観象台(かんしょうだい)の写真

畜産草地研究所の入口にある観象台

観象台は高さ80センチメートルほどの小さな塚で(正確には塚の内部にある切石の施設)、明治初年(1870年代)における近代的三角測量の1つの基点となった所である。日本における近代測量発祥の地でもある。観象台の名はこの地で天体観測も行ったことによる。
観象台一帯は、江戸時代から明治10年代(1880年前後)にかけて、那須野ヶ原と呼ばれる広大で平たんな原っぱであった。この原っぱに、三角測量の基準となる基線(2地点を結ぶ測量の線)が設けられた。この基線(那須基線・那須西原基線)の北点(千本松の観象台)と南点(大田原市親園(ちかその)の観象台)の距離は、明治11年(1878)に何度か測量され、その平均は1万0628.310589メートル(約10.63キロメートル)であった。観象台には切石が組まれ、その上には木のやぐらがあった。
明治13年(1880)、この一帯は那須開墾社(大農場の一つ)の開拓地となり、移住民は観象台周辺の地域を観象台と呼んだ。千本松の観象台は昭和16年(1941)に発掘され、中から切石を組み立てた構造物が出てきた。その後、保存のために盛土でおおい、現在に至っている。北点と南点を結んだ道は那須開墾社の中央を走る大事な道路となり、縦道(たてどう)(現・ライスラインの一部)と呼ばれた。なお、塚のわきにある石の水準標(「不」に似た記号あり)は、かつて近くにあったものである。

名称

千本松の観象台(せんぼんまつのかんしょうだい)

指定年月日

昭和47年(1972)12月1日

員数

1基

指定別

市指定

区分

記念物

種別

史跡

所在地

那須塩原市千本松716-1

所有者

農研機構 畜産草地研究所

見学にあたって

駐車スペース無し。

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教育部 生涯学習課 文化振興係

〒329-2792
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