那須疏水旧取水施設

更新日:2023年08月01日

那須疏水旧取水施設

木に覆われているレンガ造りの那須疏水旧取水施設の写真

那須疏水は、内務省直轄(ちょっかつ)の国営事業によって開かれたもので、安積(あさか)疏水(福島県)・琵琶湖疏水(滋賀県・京都府)と並び、日本三大疏水の一つに数えられる。最初の取入口は、明治18年(1885)に那珂川の絶壁にトンネルを掘って造られた(第一次取入口)。この取入口には水量の調節や、土砂の流入を防ぐための開閉施設がなく、大水等によって取入口がたびたび使用できなくなった。そのため、明治38年(1905)に約200メートル上流に取入口を変更し(第二次取入口)、使用されなくなった第一次取入口は予備の水門として石積みが行われた。その後、川の流れが変わり、取入口は大正4年(1915)に再び元の位置に戻された(第三次取入口)。昭和3年(1928)には水量調節施設の設置、上部へのアーチ型の石積み等の増設が行われ、現在見られる石組みの水門となった。
昭和51年(1976)、国営那須野ヶ原総合農地開発事業の一環として取入口が新設され(西岩崎頭首工(とうしゅこう)、第四次取入口)、かつての取入口は使用されなくなった。旧取水施設は、当時の状態を良好に残しており、近代における大規模水利施設の取水システムの構造を知るうえで価値が高いものとして、平成18年(2006)に、東水門、西水門、導水路、余水路が国の重要文化財に指定され、その後の測量調査の結果、平成29年(2017)に東隧道(ずいどう)、西隧道が同じく重要文化財に追加指定された。

灰色の壁と天井があり下部に水がたまっている西隧道内部の写真

名称

那須疏水旧取水施設(なすそすいきゅうしゅすいしせつ)(東水門、西水門、導水路(どうすいろ)及び余(よ)水路、東隧道、西隧道)

附指定(疏水橋、1号護岸、2号護岸、東3号護岸、西3号護岸、那須原疏水線實測全圖、那須原疏水線建築圖綴、那須原疏水工事竣工説明)

(注)附(つけたり)指定とは、指定された文化財の歴史的な価値を明らかにするような重要な関連資料を併せて保存するためのもの。

指定年月日

  • 平成18年(2006)7月5日
  • 平成29年(2017)2月23日追加指定(東隧道、西隧道、那須原疏水線實測全圖、那須原疏水線建築圖綴、那須原疏水工事竣工説明)

員数

2基5所

指定別

国指定重要文化財(一部附(つけたり)指定)

区分

有形文化財

種別

建造物

所在地

西岩崎地内(那須疏水公園)

所有者

那須疏水土地改良区、那須塩原市

那須疏水公園についてのお問い合わせ先

那須塩原市 農林整備課

電話番号:0287-62-7152

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この記事に関するお問い合わせ先

教育部 生涯学習課 文化振興係

〒329-2792
栃木県那須塩原市あたご町2番3号

電話番号:0287-37-5419
ファックス番号:0287-37-5479

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