大山記念館洋館

更新日:2021年11月30日

大山記念館は、明治の元勲(げんくん)・大山巌(いわお)(旧薩摩藩士・元帥(げんすい)・公爵)が開設した大山農場に建てた和風と洋風の2つの別邸からなる。大山は、明治14年(1881)にいとこの西郷従道(さいごうじゅうどう)と共に加治屋開墾場を開き、34年(1901)に両人で分割して、大山農場が発足した。大山農場発足後間もなく、農場事務所の敷地内に和風別荘が建てられ、その後、農場で焼いた煉瓦(れんが)を利用して、素朴で重厚な造りの洋館(57 坪、約188平方メートル)が、和館と廊下でつなぐ形で隣接して建てられた。
洋館の建築年は不明だが、農場で赤煉瓦の製造を行っていたのが明治36年(1903)から7年間でであり、明治38年(1905)には皇太子(のちの大正天皇)の行幸を仰いでいることから、そのころには完成していたと考えられる。建物は寄棟造桟瓦葺(よせむねづくりさんかわらぶき)で、南側正面に切妻(きりづま)屋根のポーチを張り出し、タイバーを渡した煉瓦造りのアーチで入り口を強調している。外部は特に目立つ装飾はされておらず、内部は洋風衣装で統一されているが、暖炉や天井の装飾を含め質素である。当初、大山はこの洋風建築を事務所あるいは管理人の住居にするつもりで、自分の別荘はさらに広壮なものを計画していたといわれるが、多忙のため果たせずに終わった。
農場は開設以来、華族世襲財産法によって土地の売却がほとんど行われなかったが、戦後、農地改革や未墾地解放によって農地や山林の多くが解放され、事実上農場は解体した。別荘周辺は那須農業高校(現 那須拓陽高校)の「大山農場」となり、別荘は大山記念館として同校の管理となっている。

垣根に花が植えられている茶色い煉瓦造りの洋館の外観写真

名称

大山記念館洋館(おおやまきねんかんようかん)

指定年月日

平成7年(1995)8月22日

員数

1棟

指定別

県指定

区分

有形文化財

種別

建造物

所在地

那須塩原市下永田4-3-52

所有者

栃木県

見学にあたっての問い合わせ先

見学にはあたっては、那須拓陽高校(0287-36-1225)へ事前連絡が必要です。見学の詳細については、那須拓陽高校のホームページをご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 生涯学習課 文化振興係

〒329-2792
栃木県那須塩原市あたご町2番3号

電話番号:0287-37-5419
ファックス番号:0287-37-5479

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