平家物語 小督と仲国(高久隆古作)

更新日:2021年11月30日

左手に建物の中で琴を奏でる女性が描かれており、右手に動物にまたがった男性が描かれている屏風絵の写真

『平家物語』の中の小督の悲恋を題材とした作品である。

建物の中で琴を奏でる女性と笛を持つ男性の姿が描かれている。これは、高倉天皇の勅命を受けた源仲国が月明かりの中、琴の音を頼りにようやく小督を探し当てた劇的な場面である。製作年は書かれていない為判然としないが、「無道者隆古」の落款があり、落款から晩年(46~49歳)の頃の作品と推察される。本作品は隆古晩年の作であり、伝統的な大和絵の中に、これまでに隆古が培ってきた技法が取り入れられ、物語の劇的な場面が大変豊かに表現されており、文化財としての価値は高い。

高久隆古は文化7年(1810)、阿部家の家老職を歴任した川勝家の川勝隆任(かわかつたかとう)の子として、忍(おし)城下(現埼玉県行田市)に生まれる。絵師を志し、文晁門の依田竹谷(よだちっこく)や復古大和絵派の浮田一恵(うきたいっけい)に学ぶ。天保14年(1843)に高久靄がい(※がいはがんだれに圭)が急死したことにより、名家の画統が絶えてしまうことを憂いた大橋淡雅(おおはしたんが)の勧めにより、高久靄がい(※がいはがんだれに圭)の養子となる。南画・復古大和絵の両方を学んだ隆古は、靄がい(※がいはがんだれに圭)とは趣を異にする彩り豊かな作風で一家をなす。

材質形状:絹本着色二曲一隻屏風

大きさ:縦153センチメートル(屏風172.6センチメートル)、横174.9センチメートル(屏風194.0センチメートル)

名称

平家物語 小督と仲国(高久隆古作)(へいけものがたり こごうとなかくに(たかくりゅうこさく))

指定年月日

平成29年(2017)3月30日

員数

2曲1隻

指定別

市指定

区分

有形文化財

種別

絵画

所有者

那須塩原市

この記事に関するお問い合わせ先

教育部 生涯学習課

〒329-2792
栃木県那須塩原市あたご町2番3号

電話番号:0287-37-5364
ファックス番号:0287-37-5479

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