野生鳥獣被害対策
農作物を守るためには、被害の始まりを見逃さず、集落や田畑に近付かせないのが重要です。すでに被害のある地域では、集落内を点検し、野生鳥獣にとって魅力のない場所にしましょう。
獣害共通
集落に近付けない
- 耕作放棄地は格好の隠れ場所になったり、田畑への侵入口になるので、草刈りなど適正な管理を行う
- 警戒心を持たせるため、田畑の見回り等を行う
- 草木の伐採などを行い、見通しを良くし、隠れにくい環境にする
- 集落や田畑をエサ場だと覚えさせないため、年中追払いを行う
- 逃げない習慣をつけないため、集落全体で花火等で追払いを行う
集落や田畑をエサ場にしない
- 収穫しない農作物を畑等に放置しない
- 稲の落穂等はエサになるので、収穫後すぐに耕す
- 屋外での農作物の保管をしない
- 野生鳥獣が好まない農作物で守りたい農作物を囲うよう工夫する
- 死角となるように植付け等に工夫する
- 生ごみが散乱しないよう、ゴミの出し方を工夫する
- 生ゴミや野菜くずは田畑に捨てない
- キャンプ場などの施設では、ゴミ出しのルールを徹底する
- 無人直売所では、農作物を盗られない工夫をする
- お墓のお供えは持ち帰る
- 餌付けしないよう徹底する
イノシシの侵入を防ぐ対策
イノシシの侵入を防止するさまざまな資材を利用し正しく設置しましょう
トタン板
- 視覚的遮断効果は高い
- 高さが1.2メートル以上となるように設置する
- 起伏のある場所では、地面とトタン板の間にすき間ができないように設置する(凹凸がある場合は、よくならす)
- トタン板の継ぎ目は、重なり部分を厚めにする
- 倒されないように、支柱の強度や間隔に注意する
ワイヤーメッシュ
- 視覚的遮断効果は低いが、強度に優れる
- 折り曲げや侵入を防ぐため、10センチメートルの升目で太さ6ミリメートル以上のものを使用する
- 高さが1.2メートル以上となるように設置する
- 倒されないように、支柱の強度や間隔に注意する
- くぐり抜けを防ぐために、支柱の間を杭などで固定する
- 飛び越えをふせぐために、返し付き柵など工夫する
電気柵
- 軽量で設置が容易
- 視覚的遮断効果は低いが、侵入防止効果は高い
- 毛皮部分は感電しないが、鼻先がよく通電する
- 必ず危険表示を行い、人の感電や火災の恐れのないように設置する
- 前足が土の上になるよう50センチメートル以上舗装から離して設置する
- 電線の高さは、20センチメートル(歩行中の鼻の高さ)、40センチメートル(通常の鼻の高さ)を基本とし、常に電気を流しておく
- 支柱の押し倒しを防ぐために、支柱の外側に電線を張る
- 定期的に草刈りを行い、漏電や電線の切断に注意する
- 電気の通りにくいゴムマット等は敷かない
- 勢いによる突き破りを防ぐために、斜面や斜面の終わりには設置しない(設置する場合、部分的に補強する)
- 起伏のある場所では、くぐり抜けを防止するために、部分的に支柱を追加する
ネット類
- 起伏のある場所や斜面が多い場所での設置が容易
- 食い破りを防止するために、網目が10センチメートル以上のものは避け、丈夫なものを使用する
- 接地面を折り返したり、杭などで固定する
- 飛び越えを防止するために、柵等から手前1メートルくらいの幅でネットを垂らす(踏切位置20センチメートルから40センチメートル)
トタン板と電気柵
- 電気柵による侵入防止に加え、トタン板で視覚的遮断を行うとより効果が高い
- トタン板を圃場側、電気柵を侵入する側に設置し、間隔を30センチメートルから40センチメートル程度離して設置する
- 資材を組み合わせる場合、弱点を補うようにする
その他
忌避剤
- 環境の変化に戸惑うが、慣れてしまうため、一時的な嫌がらせとして使用する
天敵(人間)
- 野生動物にとって一番怖いものは人間
- 人の存在を知らせる活発な動きをする
草刈り
草刈りを行い、見通しを良くするだけで柵等の設置効果を上げる
ニホンジカの侵入を防ぐ対策
ニホンジカの侵入を防ぐためには、共同で防除柵を設置しましょう
ネット柵
- 高さは2メートル程度とし、遮光ネットなど目隠し効果があるものを使用するとより効果が上がる
- 噛み切られたりしないように網目が15センチメートル以上のものは避け、丈夫なものを使用する
- 接地面を杭などで固定する
- 漁網など塩分が付着している網は避ける(シカが好み噛みやすい)
- 合成繊維ネットのうち、ステンレス線が編み込まれていると噛み切られない
- 遮光ネットは、強風や風雪に弱いため、上部を風通しの良いネットにした組合せ柵にする
- 柵から手前に2メートルくらいの幅で外側に垂らすと、足が網に絡まるのを嫌い、近寄らなくなる
電気柵
- イノシシにも対応する場合に適している
- 必ず危険表示を行い、人の感電や火災の恐れのないように設置する
- 前足が土の上になるよう50センチメートル以上舗装から離して設置する
- 高さは2メートル程度とし、電線の間隔を20センチメートル程度とし、常に電気を流しておく
- 起伏のある場所では、くぐり抜けを防止するために、部分的に支柱を追加する
- 定期的に草刈りを行い、漏電や電線の切断に注意する
ワイヤーメッシュ
- 接合部は作物側に向けて設置する
- 折り曲げや侵入を防ぐため、15センチメートル以下(イノシシとの兼用では10センチメートル以下)で丈夫なものを使用する
- 高さが2メートル以上となるように設置する
- 倒されないように、支柱の強度や間隔に注意する
- くぐり抜けを防ぐために、支柱の間を杭などで固定する
ニホンザルの侵入を防ぐ対策
ニホンザルの侵入を防ぐためには、防除柵等を設置し、ニホンザルにとって魅力のない集落にしましょう
電気柵
- ニホンザル用のものを使用する
- 必ず危険表示を行い、人の感電や火災の恐れのないように設置する
- 高さは2メートル以上とし、飛び込みを防止するために、周囲の樹木や建物から5メートル以上離し、常に電気を流しておく
- 起伏のある場所では、くぐり抜けを防止するために、部分的に支柱を追加する
- 定期的に草刈りを行い、漏電や電線の切断に注意する
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更新日:2023年01月18日